川の流れと音 佐々木昭一郎の世界
昨日に続いてTVドラマで私が忘れられない作品があります。
おそらく、今までで一番印象深い作品。
1981年から1984年にかけてNHKで放送された佐々木昭一郎演出の”川3部作”がそれです。

「NHK特集 川の流れはバイオリンの音〜イタリア・ポー川〜」
 1981年(昭和56年)5月1日放送

「アンダルシアの虹  川(リバー) スペイン編」
 1983年(昭和58年)3月19日放送

「春・音の光  川(リバー) スロバキア編」
 1984年(昭和59年)3月25日放送

ピアノ調律師のA子(中尾幸世)が川と人と音との出会いを淡々と独白するような演出になっていて、ほとんどの出演者に現地の素人が使われています。驚くような事件が起こるでもない。しかし、ゆっくりと進むスピードがその地方の生活の姿を映し出していて、中尾幸世さんのみずみずしい姿が印象的でした。

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イタリア、スペイン、スロバキアというヨーロッパの知らなかった世界、そこで生きる人々、1人旅、そして出会い、別れ。私は、連続放送されたこの3部作を見てわんわん泣いていた事をはっきり覚えています。悲しい出来事が起きる訳ではない、でも何故あんなに悲しかったのでしょう。

自分も旅をしてそんな気持ちを味わうような気がする。
そんな予感がしていたかもしれません。

今年の6月に日本映画専門チャンネルで佐々木昭一郎さんの特集が放送されました。その解説によると。
佐々木の作品にはじめに反応したのは70年代当時の若者たちだ。是枝裕和や、塚本晋也、河瀬直美など、現在の日本映画界の第一線で活躍する監督たちも例外ではなく、是枝が映像表現の道に進むきっかけとなったのは、佐々木の作品が原点にあり、河瀬は作品から「生きる喜びを知った」と語っている。

確かにこの作品を見た事がその後の進む道のきっかけを作ったという若者がいても不思議はないと思います。もう少し小さかった私でさえ、その後、これほどまでに印象深い作品には出会っていない気がします。TVの前で呆然と泣いている自分、その部屋の様子まではっきりと覚えています。

当時、出演の中尾幸世さんは、仕事を1ヶ月休職してロケに望んだのだとか。
ロケを終えて仕事に復職する時の気持ちの切り替えが大変だったそうです。
佐々木昭一郎さんが毎回登場人物を探す事に大変苦労されていたとも。
作品が多くは作られなかったのもそういった演出方法が理由だったのかもしれません。

DVD化が望まれているようですが、まだ発売されていません。

(ほんとは「ムー」「ムー一族」も私の中では1、2を争うのですが、本日はクラシック編です。)
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AX
by madonotabi | 2006-10-22 00:09 | 映画
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窓を探して旅に出よう。
by madonotabi
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