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Kurt & Courtney
ボッダはどこ?
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Columbia Music Entertainment

amazonで注文したDVD「Kurt & Courtney」を見ました。

1994年に自殺した(といわれている)カート・コバーンの死の真実を追うドキュメンタリーです。
監督ニック・ブルームフィールドの淡々とした語り口と取材の仕方が好感持てます。
ドラマチックに演出したところもないし、こういうドキュメンタリーは好きです。

証言者は、確かにへんてこりんな人がいっぱい出てきますので、誰の証言が正しくて、何が真実かなんて、当然分からずじまいですが、彼に近しい人の証言は今まで知らなかった彼の姿を少しばかり知ることが出来る貴重なものです。

カートの性格は、スターになることを受け入れることは出来なかった。そしてコートニーと出会ってしまった。もし、売れなかったら?コートニーと出会っていなかったら?でも、この世に「もしも」はないのです。カートはコートニーを愛していて(最終的には逃れたいと思っていたとしても)娘を持つことで一瞬でも幸せを感じていたのだから、それはそれでいいのでしょう。カートがこの世にいないのも、変える事はきでません。

印象的な場面がいくつかあって。
まず1番目は、叔母マリが残していたカート2歳のときの歌声。
既にパンクに目覚めていた(?)らしい、その歌声が聞けるなんて奇跡に等しい。驚きです。

2番目は、カート本人のインタビューシーン。
彼は「昔、中古屋に行っては何か宝物はないか?探していた。あの頃が僕にとって一番幸せだったんだ。常に金は足りるかを気にしていたけど、金じゃないんだよ」と語っています。
友人の証言によると彼は常に”聞き役”に回っていたような人だったようですし、リムジンに乗ることを恥じていて、彼の見ていないところをで係りの人間が友人達さえ彼から引き離していたそうです。彼が売れることで起きてしまった周りの状況に常に苦しんでいたことが分かります。

3番目は、売れる前の彼の恋人トレイシーのインタビュー。
3年間カートと暮らした彼女は、実際働かず曲を作り続ける彼を養っていたようですが、「彼との生活は楽しかった」と心から語っています。生活の苦しさ、創作の苦しさはあって、彼女に遠慮しながら生活はしていても、何にも縛られることのないカートの本来の姿と一緒にいられたからなのでしょう。彼女は、カートが描いた絵や、彼女に贈ったオブジェを今でも持っていました。カートの絵は、私の好きなものでした。これが見られたことも幸せです。

4番目は、祖母のマリが提供してくれた家族のパーティーでのカートの姿です。庭に座って静かに何かを物思う姿は、涙が出そうなくらい悲しいものでした。

最後に、一番最初に書いた言葉「ボッダはどこ?」
ボッダは、小さいときからのカートの空想上の人物の名前だそうです。やはり2歳くらいの彼が実際に「ボッダはどこ?」と歌っているテープが残っているのですが、この声を聴けただけでもこのドキュメンタリーは貴重です。その後のカートの運命を考えると、あまりにも切ないものでした。祖母のマリは、カートの遺書もこのボッダに宛てて書いたものだと言っています。あの歌声を実際に聞いてしまったらそう思ってしまうのも仕方がないでしょう。

変な人のインタビューも面白いですが、私には、叔母さんとトレイシーの言葉だけでも十分です。カート・コバーンもエリオット・スミスも、自殺でも、他殺でも、ドラッグ中毒でも何であれ、もうこれ以上心に引っかかる人がこの世から消えてしまうのは止めて欲しい。それだけです。

このドキュメンタリーを教えてくれたNaoさん、ありがとです。

AX
by madonotabi | 2006-04-03 02:13 | 映画
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